このサーキュラーは、発行日(2023年9月14日/回覧REF 2023 / 010)にNorthStandardから送信されたものであり、こちらで確認できます。
サーキュラーの全容は以下にてご覧いただけます。
国際グループ(「IG」)の標準補償状書式(船荷証券(B/L)原本提示なしでの貨物引渡し、および/または船荷証券に記載されている港湾または場所以外での貨物の引渡しと引換えに提供されるもの)の見直しが最後行われたのは2010年でした。リスクを伴うにもかかわらず、この書式は依然として広く利用されています(また、一部の取引においては、LOIと引き換えに貨物を引き渡すことがほぼ慣習となっているものもあります)。最近の多くの英国裁判所判決ではLOIの全体的な有効性が支持されていますが、一部の当事者にはLOIに基づく契約上の義務を免れようとする試みもみられます
それにもかかわらず、こうした文書をそのままにすることはできないことから、近年、IGの作業部会では、傭船船および船主の代表者とBIMCOの協力を得て、LOI文言の見直しを行ってきました。その結果、IGグループクラブは本日、標準書式の補償状の改訂版を公表いたします。内容はこのサーキュラー末尾のリンクからご覧いただけます。当クラブは、特に、英国商事裁判所を退官したNigel Teare氏から文言に関する支援と助言を得たことに感謝しています。
以前の版から一転して、改訂文言には、個々の変更を検証し、その理論的根拠を反映したExplanatory Notes(解説)が付されています。この解説は本サーキュラー末尾のリンクからもご覧いただけます。重要なのは、新しい文言には、関連する状況下でLOIを受け入れた場合、P&I保険による保険カバーは損なわれること、メンバーの賠償責任は当クラブの理事会がその裁量により適切であると判断した場合にのみに保険てん補されることを注意喚起すべく、目立つように警告が記載されていることです。標準文言の使用は、前記の保険カバーに関する立場を解消するものではありません。このような状況から、LOIを受け入れたメンバーは、LOI発行者である相手方の財務信用度を十分に確認することを強くお勧めします。
この見直しはグループの船荷証券委員会を通じて実施され、委員会の検討対象には電子船荷証券も含まれています。見直しを行っている間に、電子船荷証券への関心も高まってきました。電子船荷証券を採用した船舶運航業者からは、電子船荷証券を利用することで、LOIに頼る必要性が減少し、船主が負う商業的リスクが取り除かれ、一部の企業では年間数億ドルに達する可能性がある傭船者の潜在的責任の負担が軽減されたとの報告を受けています。
すべてのIGクラブは電子船荷証券の使用に対応しており、電子商取引システムがIGによって承認されている場合、紙の船荷証券の場合と同様の保険カバーが提供されます。本日の時点で、IGが承認している電子船荷証券のプラットフォームは10あります。この数は、特に電子取引の普及を反映する法制度が可決するにつれて増加するものと予想されます。英国では、2023年9月20日から電子取引文書法2023年が施行される予定です。これは非常に重要な進展であり、英国法では、一定の基準を満たすことを条件に、電子船荷証券が紙の船荷証券と法的に同等であると認められることになります。これにより、法律施行以前に存在した法の空白を克服するために現在のプラットフォームが利用せざるを得なかった多くの複雑な契約上の取り決めが不要になり、多くの大手運送事業者や荷主が同意している電子船荷証券の利用が飛躍的に増加する見込みが高まっています。
ただし、それまでの間は引き続きLOIが必要とされるため、当グループはこの改訂文言により、紛争が起こる余地が一層狭まるものと確信しています。
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LOI AA(B/L原本提示なしでの貨物引渡し:銀行保証付)
LOI C(B/L原本提示なしでのB/L記載地以外での貨物引渡し)
LOI CC(B/L原本提示なしでのB/L記載地以外での貨物引渡し:銀行保証付)
REVECCA VASILIOU
Head of Nordics and Northern Europe
NorthStandard Limited
Circular Ref: 2023/010