財務状況の見直しおよび2020保険年度の保険更改について

今期のプール・クレームは、昨年の保険年度に比べ高い水準となりました。また、クレーム支払の増加、収入保険料の減少といった継続的な傾向により、当クラブのコンバインド・レシオは105%を超えるものと見込まれています。フリーリザーブについても減少が見込まれます。なお、現段階における保険引受上の損失は、今期半年時点で2,820万ドルであった総資産利回りを上回ります。

理事会は、海運業界が直面している経済問題を把握しつつ、当クラブメンバーの皆様をサポートすることを念頭に置いております。スタンダード&プアーズ(S&P)社による当クラブの財務力格付けは依然としてAAA格ですが、長期に渡る減資を食い止め、クラブの財政的安定を維持するために、収入保険料の減少に対する是正措置が求められます。理事会は、健全なコーポレートガバナンスのための指針および最適で透明性のあるジェネラルインクリースの査定に納得しています。そして、このような公平な方法で、来る保険年度の全体的な予算要件をメンバーの皆様にお伝え出来ることを嬉しく思っています。理事会は、継続する「ソフトな」海上保険市場に必要な改善策を講じ、来る保険年度に向けて以下を決定しました。

P&Iクラス

 相互保険料および定額保険料について – 来る更改に向け、クラブメンバー様の保険料に対し7.5％のジェネラルインクリースを適用いたします。しかしながら、マネジャーは、保険料率の減少が食い止められ、今後の支払実績やリスクエクスポージャーが公正に調整されているかどうかを確認するために、メンバーの保険料や契約条件の見直しを続けます。この徹底した業務は来期以降の保険料増加の必要性を回避するために行われます。

保険成績に悪化が見られるメンバーには、公正な積み立てを確保するため、このような最小の条件をカバーする保険料の引き上げや契約条件が当然ながら適用されます

加えて、理事会は、船主契約に関する25,000ドル未満の全免責金額について、1,000ドルの引き上げを決定しました。

再保険 – 当メンバーの保険料率についても、 P&I国際グループ共同型の超過損害額再保険のコストや構造におけるいかなる変更を考慮のうえ適用されます。

FD&Dクラス

相互保険料および定額保険料について – 来る更改に向け、クラブメンバー様の保険料に対し7.5％のジェネラルインクリースを適用することを決定いたしました。しかしながら、保険料は、各自メンバー様の保険金成績およびリスクエクスポージャーに応じて決まります。

保険料の徴収について

次期保険年度のP&I相互保険料につきましては、2020年の4月1日、6月1日、9月1日および12月1日の4分割による25％ずつの徴収となります。

今期同様、FD&Dクラス契約(特約)につきましては、2020年の4月1日および9月1日の2度に分けて半額ずつのお支払いとなりますことをご了承願います

2019年11月20日発行の「保険更改前報告」のなかで、財務状況に係る詳しい情報と今期におけるクレーム支払の推移について取り上げています。

理事会は、当クラブの引き続く高い財務健全性に誇りを持っており、2020年度の更改は、統制の取れた財政的アプローチならびに慎重な保険引受の理念を反映しているものと理解しています。この保険更改に関する方策が、保険市場に於ける継続的な課題のなかで、当クラブが打ち勝つ手だてとなりますことを願ってやみません。

ポール　ジェニングス

最高経営責任者

The North of England P&I Association Limited

附属書類 A – オープン保険年度