2022年3月17日付 General Trade Licence – ロシアへの寄港ならびにロシア領海を通過する船舶の報告に関して
2022年3月17日、英国政府はGeneral Trade Licence(GTL)を発表し、英国の対ロシア(制裁)(EU離脱)規則(以下、”規則”)の以前の改正に関する一部を説明しました。具体的には、英国に本社を置く若しくは運営される保険会社や再保険専門会社が、ロシアへの寄港ならびにロシア領海を通過する船舶に対し、当該規則の下で保険提供することが合法であるかどうかという問題に対応することを目的としています。
General Trade Licence (以下、「ライセンス」)の概要は こちら をご覧ください。
このライセンスにより、保険引受が合法かつ適用される制裁措置に準拠している場合、英国に所在するP&Iクラブ、その子会社、支店、管理会社は、ロシアを出入港する、かつ、もしくは、ロシア領海を通過する貿易船に対し保険を引き受け、当該船舶に起因するクレームを扱うことを可能とします。ただし、クラブは、ライセンスの使用に関連する記録を保管し、その名称および所在地を英国国務大臣に通知することを条件としています。クラブが保管しなくてはならない記録の内容は、規則第76条(ライセンス内:記録の項目)に規定されており、以下の情報が含まれます。
(a) (取引)行為の説明
(b) (取引)行為に関連するあらゆる物品、技術、サービスもしくは資金の説明
(c)(取引)行為が発生する日付またはその行われていた期間
(d)(取引)行為に関係する物品の数量もしくは資金額
(e) [加入保険会社の]名称および所在地
(f)(取引)行為に係わる物品のあらゆる荷受人、もしくは当該(取引)行為に関連するいかなる技術、サービスもしくは資金の受取人の名称および所在地
(g) [保険会社]の知る限りにおいて、その(取引)行為に係わる物品、技術、サービスもしくは資金のエンドユーザーの名称および所在地
(h) もし、[保険会社]が所持する情報が異なる場合、その(取引)行為に係わるあらゆる物品のサプライヤー(供給者)の名称と所在地
クラブは、上記の記載情報が記録された暦年の末日からさらに4年が経過するまで、上記の情報を保管するものとします。
2022年3月17日より、ロシアへの寄港ならびにロシア領海を通過する(もしくは、した)船舶の所有者は、規則第76条の要件に沿い、加入されているクラブに、その航海の内容を可能な限り詳細に届け出る必要があります。これを怠った場合、当該船舶のP&I保険の無効となる可能性、もしくはクラブによる保険金のお支払いが困難になる可能性があります。なお、この要件は、(ロシアに居住、かつロシア籍船を含む)すべての加入済みの船舶に適用され、英国に所在するメンバー、または英国籍船を運航するメンバーに限定されるものではないことに留意願います。
つきましては、メンバー各位におかれましては、ロシアへの寄港ならびにロシア領海を通過した1か月以内に、当該航海の船荷証券の写しとともに、必要な情報の提供をお願い致します。記録用の情報は、こちらのサーキュラーに添付されたスプレッドシートにご記入頂き、spire.reporting@nepia.com までご提出をお願い申し上げます。
ロシアが関係する輸出入は、現在、重大な法的規制の対象となっています。メンバーの皆様は、適用される制裁措置に違反する取引については保険カバーが適用されない旨をくれぐれもご留意願います。また、ロシアを発着するもしくはロシア領海で取引を行われる前に、関係者、貨物、取引に関する徹底的なデューデリジェンスの実施を推奨致します。
MARK CHURCH マーク チャーチ
DIRECTOR (FD&D) AND HEAD OF SUSTAINABILITY
The North of England P&I Association Limited / North of England P&I DAC
Circular Ref: 2022/017