インドネシアとフィリピンでの雨季における降雨量の増加により、この地域で荷積みされるニッケル鉱ばら積み貨物の液状化リスクが高まっています。
インドネシアにおける、水分を含んだニッケル鉱貨物の実態に関する最新のレポートでは、細心の注意を払うことの重要性が強調されています。通常バージで運搬されるこれらの貨物において、実際の運送許容水分値(TML)と 水分値(MC)が、提出済みの証明書上で申告されたそれらの数値と異なるケースがしばしば発生しています。実際の貨物の状態に関わらず、船長が荷送人(シッパー)から貨物を拒否しないよう圧力をかけられることが頻繁にあります。
仮に貨物を拒否したとしても、それらは効果のない「空気乾燥」の過程を経て、再び本船に積み込まれることもしばしばあります。
2005年以降、112名の船員の命と12隻の船舶が液状化の事故により失われました。さらなる犠牲を防ぐべく、IMSBCコードの要件を徹底して頂きますようお願い申し上げます。
「缶テスト」の実施方法を紹介している弊クラブの資料はこちらからご覧いただけます。この簡単なテストを適切に行うことで、どのような時に貨物が安全ではないかを確認することができます。このテストを通じて、船員の皆さまの命を守ることができます。
メンバーの皆さまにおかれましては、弊クラブが出しているニッケル鉱の荷積み、そしてフィリピンまたはインドネシアで同貨物の荷積みされる際に必要となる弊クラブへの通知に関する以下のサーキュラーを、この機会に再度ご確認頂ければ幸いです。
- Circular Ref: 2012/023 – Dangers of Carrying Nickel Ore from Indonesia and the Philippines – Mandatory Notification Requirements.
- Circular Ref: 2011/009 – Indonesia and the Philippines – Safe Carriage of Nickel Ore Cargoes.
- www.nepia.com/circulars
著者: アルビン・フォスター
本記事の和訳版と英語版(原文)において解釈の相違や矛盾が生じる場合、英語版が優先します。